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投稿日:2026年7月25日

ブロック塀の老朽化と倒壊の危険|点検の項目と改修の判断

敷地の境界に立っているブロック塀は、住まいの一部でありながら、日常のなかで意識される機会が少ない構造物です。塗り替えや修理の対象として考えられることも少なく、設置から30年、40年が経っていても、そのままになっているケースが多くあります。

ただ、ブロック塀は内部の鉄筋と地中の基礎によって強度を保っている構造です。この見えない部分が劣化すると、外観に大きな変化がないまま強度だけが落ちていきます。表面が健全に見える塀が、地震や強風で倒れることがあるのはこのためです。2018年に大阪府北部で発生した地震では、通学路に面したブロック塀の倒壊によって人命が失われる事故が起き、その後、全国で塀の点検が呼びかけられる流れとなりました。

この記事では、ブロック塀がどこで強度を保っているのかという構造の話、建築基準法で定められている寸法の基準、老朽化の症状と危険度の見分け方、自分で確認できる点検の項目、そして部分補修から減築、積み直しまでの改修方法と判断基準を整理しました。隣家との境界にある塀の扱いについても触れています。

結論|老朽化したブロック塀が危険な理由

結論から言うと、老朽化したブロック塀が危険なのは、外観の変化と実際の強度低下がずれて進むためです。塀の強度を担っているのは、地中の基礎、ブロック内部を貫く鉄筋、そして鉄筋を包むモルタルです。いずれも完成後は外から見えません。表面のブロックが割れていなくても、内部の鉄筋が錆で細くなっていれば、地震の揺れに耐える力は大きく落ちています。

もう一つの理由は、倒れ方です。ブロック塀は重量があり、倒れるときは面のまま一気に倒れます。フェンスのように途中で撓むことがないため、下敷きになった場合の被害が大きくなります。高さ1.5メートル、長さ3メートル程度の塀でも、ブロックとモルタルの重量は数百キログラムに達します。

そして3つ目に、古い塀は現在の基準を満たしていない可能性があります。ブロック塀に関する規定は過去に改正が重ねられており、設置当時は適法であっても、現行の基準では不足しているという状態があり得ます。この場合、劣化していなくても構造上の余裕が少ない状態から始まっていることになります。

ブロック塀の構造|どこで強度を保っているか

補強コンクリートブロック造の塀は、いくつかの要素が組み合わさって力を受け持っています。どれか一つが欠けると、全体の強度が大きく落ちる構造です。

基礎(ベース)

地面の下に設けられたコンクリートの土台です。塀の重量を地面に伝え、横からの力に対して塀が転倒しないよう抵抗する役割を持ちます。基礎の深さが不足していると、塀が地中で回転するように倒れます。

基礎は完全に地中にあるため、外から確認できません。地面の際を少し掘って確認する方法はありますが、一般の方が行うのは難しい部分です。塀の根元の地面が沈んでいる、塀に沿って隙間ができているといった状態は、基礎に問題がある可能性を示す手がかりになります。

縦筋と横筋

ブロックの内部を縦方向に貫く鉄筋と、横方向に通す鉄筋です。縦筋は基礎から立ち上げてブロックの穴を通し、上部まで届いている必要があります。横筋はブロックの横方向の溝に入れ、縦筋と結束します。この格子状の鉄筋が、塀が面として力を受け止める仕組みをつくっています。

鉄筋が入っていない塀は、ブロックとモルタルが積み重なっているだけの状態です。上からの重量には耐えますが、横からの力に対する抵抗がほとんどありません。地震の揺れでは横方向の力がかかるため、鉄筋の有無が結果を大きく分けます。

モルタルの充填

鉄筋を入れたブロックの穴には、モルタルまたはコンクリートを詰めます。この充填が鉄筋とブロックを一体化させ、あわせて鉄筋を空気と水から守る役割を果たします。充填が不十分で内部に空隙が残ると、鉄筋が入っていても力が伝わらず、さらに空隙に水が入って鉄筋の錆が進みます。

控え壁

塀の面に対して直角に突き出した壁です。塀を横から支える役目を持ち、一定の高さを超える塀には設置が求められます。控え壁がない、あるいは間隔が広すぎる長い塀は、横からの力で面ごと倒れやすくなります。

既存の塀を見たときに控え壁があるかどうかは、外から確認できる数少ない項目です。塀に沿って歩き、直角に出た壁が一定の間隔で設けられているかを見てください。

構成要素 役割 外から確認できるか
基礎 重量を地面に伝え転倒を防ぐ できない
縦筋 横からの力に抵抗する できない
横筋 面として一体化させる できない
モルタル充填 鉄筋の一体化と保護 できない
控え壁 塀を横から支える できる
目地 ブロック同士の接合 できる

建築基準法で定められている基準

ブロック塀の寸法や鉄筋の配置については、建築基準法施行令に定めがあります。以下は補強コンクリートブロック造の塀に関する規定の概要です。

高さ

塀の高さは2.2メートル以下と定められています。地面からの高さで測り、擁壁の上に載っている場合の扱いなどは条件によって異なります。

壁の厚さ

壁の厚さは15センチ以上とされています。ただし高さが2メートル以下の塀については10センチ以上でよいという規定になっています。使われているブロックの厚さを見れば確認できる項目です。

鉄筋の配置

壁の内部には直径9ミリ以上の鉄筋を、縦横それぞれ80センチ以下の間隔で配置することとされています。あわせて、壁の上端と基礎の部分、壁の端部と隅角部にも鉄筋を配することが求められます。

控え壁

高さが1.2メートルを超える塀には、長さ3.4メートル以下ごとに控え壁を設けることとされています。控え壁は基礎の部分で壁面から塀の高さの5分の1以上突き出す必要があります。

基礎の寸法

基礎の丈は35センチ以上、根入れの深さは30センチ以上とされています。これは高さが1.2メートルを超える塀についての規定です。

既存不適格という状態

ここで押さえておきたいのは、既存の塀が現行の基準を満たしていない場合があることです。規定は過去に改正されており、設置された当時の基準に沿って造られた塀が、現在の基準では不足しているという状態が生じます。これは違法な建築物という扱いとは異なり、既存不適格と呼ばれます。

既存不適格であること自体で直ちに改修が義務づけられるわけではありませんが、安全性の観点では余裕が少ない状態です。とくに地震の揺れに対する抵抗力は、鉄筋の配置と控え壁の有無で大きく変わります。基準の適用や個別の判断については、お住まいの自治体の建築指導の窓口でご確認ください。

項目 定められている内容 確認の方法
高さ 2.2メートル以下 地面から上端まで測る
厚さ 15センチ以上(高さ2メートル以下は10センチ以上) 上端や端部で測る
鉄筋の径 直径9ミリ以上 専門家の調査が必要
鉄筋の間隔 縦横80センチ以下 専門家の調査が必要
控え壁 高さ1.2メートル超は3.4メートル以下ごとに設置 塀に沿って目視で確認
控え壁の突出 基礎の部分で塀の高さの5分の1以上 突出の長さを測る
基礎の丈 35センチ以上 確認には掘削が必要
根入れの深さ 30センチ以上 確認には掘削が必要

老朽化の症状と危険度の見分け方

劣化は表面に現れます。症状の種類によって、内部で何が起きているかの推定ができます。

ひび割れ

ひび割れは、その向きによって意味が変わります。目地に沿った水平方向のひびは、モルタルの劣化や施工の継ぎ目に起因することが多く、比較的軽度な場合があります。一方、ブロックを縦に貫くひびや、階段状に斜めに走るひびは、塀が力を受けて動いていることを示す可能性があります。

とくに注意したいのが、塀の端部や控え壁の付け根に出るひびです。この位置は力が集中する箇所で、ひびが入っている場合は構造的な問題を示していることがあります。

傾きとはらみ

塀の面が全体として傾いている、あるいは中間部が膨らんで曲がっている状態です。はらみは、内部の鉄筋が錆で膨張してブロックを押し広げることでも生じます。傾きが目に見える程度まで進んでいる場合、すでに強度に余裕がない状態と考えられます。

白い粉や染み

表面に白い粉状のものが付着している、あるいは白い筋が流れたような跡がある状態です。これは塀の内部を水が通り、コンクリートの成分が溶けて表面に出てきたものです。水が内部に浸透している証拠であり、鉄筋の錆が進んでいる可能性を示します。

鉄筋の露出と錆

ブロックの表面が剥がれて内部の鉄筋が見えている、あるいは鉄筋の位置に沿って茶色い染みが浮いている状態です。この段階では鉄筋の断面が減っており、本来の強度は失われています。表面を補修しても内部の鉄筋は戻らないため、部分的な補修では対応できません。

目地の劣化

ブロックの間のモルタルが痩せている、粉状に崩れる、指で押すと崩れるといった状態です。目地はブロック同士を一体化させる部分で、ここが弱ると塀が面として機能しなくなります。あわせて水の浸入口になるため、内部の劣化を進める原因にもなります。

症状 内部で起きていること 危険度
目地に沿った水平のひび モルタルの劣化・継ぎ目 低〜中
ブロックを縦に貫くひび 塀が力を受けて動いている 高い
階段状の斜めのひび 基礎の沈下や地盤の動き 高い
傾き・はらみ 基礎の動き・鉄筋の膨張 高い
白い粉・流れた跡 内部に水が浸透している
茶色い染み・鉄筋の露出 鉄筋の断面が減っている 高い
目地が粉状に崩れる ブロックの一体化が失われる 中〜高

自分でできる点検の項目

専門的な調査の前に、住まわれている方が確認できる項目があります。国土交通省は、ブロック塀の安全性を確認するための点検のポイントを示しています。以下はその内容に沿った確認の流れです。

まず高さを確認します。地面から塀の上端までの高さを測り、2.2メートルを超えていないかを見ます。次に厚さです。塀の上端や端部で厚さを測り、10センチ以上あるか、高さが2メートルを超える塀であれば15センチ以上あるかを確認します。

続いて控え壁の有無です。高さが1.2メートルを超える塀の場合、3.4メートル以下の間隔で控え壁が設けられているかを見ます。次に基礎です。地面の際を見て、コンクリートの基礎が見えているか、あるいは塀が直接土に埋まっているように見えるかを確認します。

そして傾きとひび割れです。塀の端から視線を沿わせて面が直線になっているかを見て、ひびの位置と向きを記録します。最後に鉄筋の有無ですが、これは外から確認できないため専門家による調査が必要な項目です。

これらを確認したうえで、該当する項目が複数あるようであれば、専門の業者や自治体の窓口に相談する段階と考えられます。とくに高さと厚さ、控え壁の3点は基準に関わる項目で、不足している場合は構造上の余裕が少ないことを意味します。

点検の際は、確認した内容を記録に残しておくと役に立ちます。測った高さと厚さ、控え壁の間隔、ひびの位置と向きを簡単な図に書き込み、あわせて写真を撮っておきます。写真は塀の全体が入る引きの1枚と、ひびや傾きを寄せた1枚の両方があると状態が伝わります。同じ構図で半年ごとに撮り続けると、ひびが伸びているかどうかの変化が分かります。この記録は業者に相談するときにも、自治体の窓口で確認するときにも判断の材料になります。

確認する項目 確認の方法 注意したい状態
高さ 地面から上端までを測る 2.2メートルを超えている
厚さ 上端や端部で測る 10センチ未満
控え壁 塀に沿って歩いて数える ない・間隔が広い
基礎 地面の際を見る 基礎が見えず土に直接立つ
傾き 端から視線を沿わせる 面が直線でない・はらみ
ひび割れ 位置と向きを記録する 縦方向・階段状のひび
鉄筋の有無 専門家の調査が必要 確認できていない

倒壊が起きやすくなる条件

同じ年数の塀でも、置かれている条件によって危険度が変わります。

まず塀の高さと長さです。高いほど、また控え壁のない長い区間があるほど、横からの力に対して不利になります。次に上に載っているものの有無です。塀の上にフェンスや門扉が取り付けられている場合、風圧と重量が加わります。塀に看板や物干しが固定されている場合も同様です。

地面の条件も影響します。塀に沿って水がたまる、地面が沈んでいる、片側の地面が高く土圧がかかっているといった状態は、基礎に負担をかけます。とくに土留めを兼ねた塀は、本来の想定を超える力を受けている可能性があります。

植物も要因になります。塀に沿って樹木が育っていると、根が基礎を押し上げる、幹が塀を押す、つる性の植物が風を受けるといった形で負担が増えます。塀の際に生えた樹木は、成長とともに影響が大きくなります。

車の接触も見過ごされやすい要因です。駐車の際に軽く当たることが繰り返されると、目に見える損傷がなくても内部に亀裂が生じます。駐車場に面した塀は、他の箇所より確認の頻度を上げておくとよいでしょう。

条件 危険度が上がる理由
高さがある 横からの力に対して不利になる
控え壁のない長い区間 面ごと倒れやすい
上にフェンスや門扉 風圧と重量が加わる
土留めを兼ねている 片側から土圧を受けている
根元に水がたまる 基礎の周りの土が緩む
際に樹木がある 根が基礎を押し上げる
駐車場に面している 接触の繰り返しで内部に亀裂

改修の方法と選び方

対応の方法は複数あり、状態と目的によって選び方が変わります。

部分的な補修

ひび割れの充填、目地の補修、表面の欠けの補修といった対応です。劣化が表面にとどまり、鉄筋と基礎に問題がない場合に選択できます。工事の規模が小さく、短期間で終わります。ただし内部の鉄筋が錆びている場合、表面の補修では強度は回復しません。

上部を減らして低くする

塀の上部を数段撤去して高さを下げる方法です。塀が高いことによる負担を減らせるため、控え壁がない塀や高さが基準を超えている塀に有効です。全面をやり直すより工期と費用を抑えられ、目隠しが必要な場合は低くした塀の上にフェンスを設ける形にできます。

ただし、この方法は既存の塀の基礎と鉄筋がある程度健全であることが前提です。基礎に問題がある場合は、低くしても倒壊のリスクは残ります。

全面の解体と積み直し

既存の塀をすべて撤去し、基礎から造り直す方法です。現行の基準に沿った鉄筋の配置と控え壁を設けられるため、安全性の面では最も確実です。工期と費用は大きくなりますが、長期的に見た場合の考え方としては選ばれることが多い対応です。

フェンスへの置き換え

塀を撤去して、基礎を設けたうえでフェンスを立てる方法です。重量が軽くなるため倒壊時の危険が減り、風を通す形状であれば風圧も抑えられます。目隠しが必要な場合は、隙間を工夫した形状の製品を選ぶことで対応できます。塀と比べて開放感が出るため、敷地の印象も変わります。

撤去して別の仕切りにする

塀を撤去し、植栽や低い縁石、地面の仕上げの違いで境界を示す方法です。境界の明示という目的だけであれば成立する選択で、視線を遮る必要がない箇所では有効です。ただし境界に関わる部分は隣地との合意が前提になります。

方法 適する状態 工事の規模
部分的な補修 劣化が表面にとどまる 1日〜数日
上部を減らす 基礎と鉄筋は健全・高さが不安 数日
解体と積み直し 基礎や鉄筋に問題がある 1〜2週間
フェンスへの置き換え 重量を減らしたい 数日〜1週間
撤去して別の仕切り 視線を遮る必要がない 数日

工事の流れと工期の目安

改修工事の一般的な進み方を整理します。

最初に現地の確認を行い、高さ、厚さ、控え壁、基礎の状態、ひびや傾きの状況を把握します。鉄筋の有無を確認する必要がある場合は、一部を開けて調べる、あるいは専用の機器で探る方法をとります。この結果をもとに改修の方法を決め、見積もりを作成します。

工事に入ると、まず周囲の養生と、必要に応じた仮の仕切りの設置を行います。次に既存の塀の解体と撤去、廃材の処分です。ブロックとモルタルは重量があるため、処分の費用が全体に占める割合は小さくありません。

続いて基礎の工事です。掘削、砕石の敷き込みと転圧、型枠の設置、鉄筋の配置、コンクリートの打設という順で進みます。基礎のコンクリートが固まるまでの養生期間を置いてから、ブロックの積み上げに移ります。

ブロックは一度にすべて積むのではなく、数段ずつ積んでモルタルの硬化を待ちながら進めます。この工程を急ぐと目地の強度が出ないため、天候と合わせて日程が組まれます。積み上げが終わったら仕上げと清掃を行い、完了となります。

工程 内容 目安
現地確認 寸法・劣化・基礎の状態を把握 1回
養生・仮仕切り 周囲の保護と安全の確保 半日
解体・搬出 既存の塀の撤去と廃材処分 1〜2日
基礎工事 掘削・砕石・転圧・鉄筋・打設 2〜3日
基礎の養生 コンクリートの硬化を待つ 数日
ブロック積み 数段ずつ積んで硬化を待つ 2〜4日
仕上げ・清掃 目地の仕上げと周囲の清掃 半日〜1日

費用に影響する条件

見積もりの金額は、同じ長さの塀でも条件によって変わります。

影響が大きいのは、既存の塀の撤去と処分です。高さと厚さ、長さから出る廃材の量、そして搬出のしやすさが金額に反映されます。重機が入れない狭い場所、道路から距離がある場所では、人手による搬出になるため手間が増えます。

次に基礎の条件です。地面の状態、掘削の深さ、掘った土の処分量が関わります。既存の基礎が残っている場合、その解体が加わります。あわせて、塀が土留めを兼ねている場合は構造の検討が必要になり、通常の塀とは別の設計になります。

使用する材料も金額を左右します。ブロックには種類があり、表面の仕上げや形状によって単価が変わります。仕上げに塗装やタイルを施す場合は、その分が加算されます。

現場の条件で見落とされやすいのが、隣家との距離です。塀の両側から作業できる場合と、片側からしか手が届かない場合では、施工の手間が変わります。境界ぎりぎりに立っている塀の場合、隣地に立ち入る必要が生じることもあります。

条件 金額に影響する理由
塀の高さ・長さ・厚さ 廃材の量と材料の数量が変わる
搬出のしやすさ 重機が入れない場合は人手になる
既存基礎の有無 解体と処分の工程が加わる
土留めを兼ねているか 構造の検討が別に必要になる
ブロックの種類・仕上げ 材料の単価が変わる
隣家との距離 片側からの作業は手間が増える
上部のフェンスや門扉 脱着や再設置の工程が加わる

隣家との境界にある塀の場合

境界に立っている塀は、所有の状況によって進め方が変わります。

まず確認したいのが、塀が誰の所有かという点です。自分の敷地内に立っているのか、隣地内なのか、境界線上に共有の形で立っているのかで扱いが異なります。境界線上に共有で立っている塀の改修は、隣家との合意が前提になります。費用の分担についても事前に話し合う必要があります。

所有が明確でない場合、まず土地の境界の確認から始めることになります。境界標の位置、登記の内容、過去の経緯を確認したうえで、必要であれば土地家屋調査士に相談する流れです。塀の改修を機に境界の確認をしておくと、後の問題を避けられます。

自分の敷地内に単独で立っている塀であっても、工事にあたっては隣家への事前の説明が有効です。解体の際には音と粉じんが出ますし、境界に近い作業では隣地側から手を入れる必要が生じることもあります。日程と作業内容を先に伝えておくと、工事中のやり取りが円滑になります。

なお、自治体によっては危険なブロック塀の撤去や改修に関する支援の制度を設けている場合があります。対象となる条件や手続きは自治体ごとに異なりますので、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

業者に依頼するときの確認項目

改修を依頼する際に、見積もりと打ち合わせで確認しておきたい項目があります。

まず、現地でどこまで確認したうえでの見積もりかという点です。高さと長さを測っただけの見積もりと、基礎の状態や鉄筋の有無まで確認した見積もりでは、前提が違います。既存の状態をどう判断したのかを説明してもらうことが出発点になります。

次に、改修後の仕様です。基礎の寸法、鉄筋の径と配置の間隔、控え壁の位置と数が見積書または図面に記載されているかを確認してください。これらが明記されていれば、完成後に「どういう仕様で造られたか」の記録が残ります。

あわせて、廃材の処分と工期の内訳を確認します。処分の費用が含まれているか、養生期間を含めた日程が示されているかは、後のずれを避けるために重要です。

複数の業者から見積もりを取る場合は、条件を揃えて依頼してください。A社が上部を減らす方法を、B社が全面の積み直しを前提に見積もると金額が大きく異なりますが、これは対応の内容が違うためで、金額だけでは比較になりません。どの方法を前提にした見積もりかを明記してもらい、方法ごとに並べて検討するのが実際的です。

確認する項目 確認する理由
現地確認の範囲 見積もりの前提が分かる
基礎の寸法 改修後の強度に直結する
鉄筋の径と間隔 基準への適合を確認できる
控え壁の位置と数 横からの力への抵抗が変わる
廃材処分の扱い 後から加算されるのを避ける
養生を含む工期 実際の日程が把握できる
近隣への説明 工事中のやり取りが円滑になる
工程写真の記録 見えなくなる部分の記録が残る

大澤工業は埼玉県草加市を拠点に、ブロック工事やフェンス工事を含む外構工事・エクステリア工事を関東一円で承っております。対応できる工事の内容は業務案内はこちらから、これまでの施工内容は施工実績はこちらからご覧いただけます。既存のブロック塀の状態でお気になる点がある場合や、改修の方法を検討されている場合は、お問い合わせはこちらからご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 見た目にひび割れがなければ安全と考えてよいですか

A. 外観だけでは判断できません。塀の強度を担っている基礎と鉄筋は外から見えないため、表面が健全でも内部の鉄筋が錆で細くなっていることがあります。高さ、厚さ、控え壁の有無といった基準に関わる項目を確認し、必要に応じて鉄筋の有無を専門家に調べてもらう流れになります。

Q. 設置から何年で改修を考えるべきですか

A. 一律の年数はありませんが、設置から30年以上が経過している塀は、当時の基準で造られている可能性があり、確認しておくことをおすすめします。年数よりも、高さ・厚さ・控え壁が現在の基準を満たしているか、傾きやひびがあるかで判断してください。

Q. 塀の内部に鉄筋が入っているか調べる方法はありますか

A. 一部を開けて目視で確認する方法と、専用の機器で内部を探る非破壊の調査があります。いずれも専門の業者による作業になります。調査に費用がかかるため、他の点検項目を確認したうえで、必要性を判断するとよいでしょう。

Q. 上部を数段撤去して低くするだけで安全になりますか

A. 高さによる負担は減りますが、基礎と鉄筋の状態によります。基礎が浅い、あるいは鉄筋が入っていない塀の場合、低くしても倒壊のリスクは残ります。既存の状態を確認したうえで、この方法が適するかを判断する必要があります。

Q. 表面にひび割れの補修をすれば強度は戻りますか

A. 劣化が表面にとどまっている場合は有効ですが、内部の鉄筋が錆びている場合は戻りません。鉄筋の位置に沿って茶色い染みが出ている、白い粉が付着しているといった症状がある場合は、内部に水が入っている状態です。表面の補修では対応できない段階です。

Q. 境界に立っている塀の改修は隣家の同意が必要ですか

A. 塀の所有の状況によります。境界線上に共有の形で立っている場合は、隣家との合意と費用の分担の話し合いが前提になります。自分の敷地内に単独で立っている場合でも、工事の音や作業の都合があるため、事前に日程と内容を伝えておくと円滑に進みます。

Q. 塀の上にフェンスが載っていますが問題ありますか

A. フェンスの重量と風圧が塀に加わるため、塀に対する負担は大きくなります。フェンス側に問題がなくても、塀の基礎や鉄筋に問題があると塀ごと倒れることになります。塀とフェンスを一体で確認することをおすすめします。

Q. 工期はどのくらいかかりますか

A. 改修の方法によって変わります。部分的な補修であれば1日から数日、上部を減らす方法で数日、全面の解体と積み直しでは1週間から2週間程度が目安です。基礎とモルタルの養生期間が必要なため、日程には天候の影響も出ます。

Q. フェンスに置き換えるほうがよいのでしょうか

A. 重量が軽くなるため倒壊時の危険は減り、風を通す形状であれば風圧も抑えられます。一方、目隠しの効果や遮音の面では塀と差が出ます。何を目的とした仕切りなのかによって、適した選択が変わります。

Q. 自治体の支援制度はありますか

A. 危険なブロック塀の撤去や改修について、支援の制度を設けている自治体があります。対象の条件、手続き、受付の期間はそれぞれ異なりますので、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。工事の前に申請が必要な場合が多いため、着工前の確認が重要になります。

この記事を書いた理由

著者 – 大澤工業

埼玉県草加市を拠点に、ブロック工事やフェンス工事を含む外構工事・エクステリア工事を関東一円で承っております。ブロック塀についてご相談をいただく際、多くの方が「見た目は問題なさそうだが大丈夫か」という点を気にされています。塀は内部の鉄筋と地中の基礎で強度を保っている構造のため、外観と実際の強度がずれるという性質があります。

この記事では、構造の仕組みと基準、そしてご自身で確認できる項目を具体的にお伝えしました。判断の材料になれば幸いです。会社概要・アクセスはこちらからご確認ください。

大澤工業
〒340-0043
埼玉県草加市草加3丁目1-17
TEL:070-9119-6510 FAX:048-916-4400

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